
5年前からアメリカにアプローチをかけていて、展示会などを通じて畳の普及活動をしてきました。現地の日本料理店や日本庭園を持っていらっしゃる裕福な方のご自宅などに納めさせていただいています。
私は四代目でして、実は今の仕事をする前は旅行代理店に勤めていたんです。そこで働いていて分かったことがあります。アメリカには多くの日本料理店がありますが、どの畳も汚れていたり、い草がほつれていたりしました。どうしてそのままにしているのだろうと思ったのですが、よくよく考えてみると誰も替える人がいなかったんですね(笑)。
そこで旅行代理店を辞めたあと、父の会社に入社した際にそのことがビジネスチャンスとして頭の片隅にありました。同時に日本独自の文化にプライドを持って、世界に畳の良さを知ってもらいたいという思いが重なり、ニューヨークからアプローチを開始しました。
私は、「畳ってどういうところがいいですか」って聞かれたら、必ず寝てもらったら分かりますって答えるんですよ。畳は一本一本がい草で編み込まれているので、肌に触れているところと触れていないところがあるので涼しいんですね。独特の気持ちよさがあります。
また、もう一つの魅力はい草の香りです。うちは京都・大徳寺の近くにありますから、修学旅行の小学生が通ったりしますが、そのときに「畳ってええにおいするなぁ」と言って通り過ぎていくのをよく見かけます。このい草特有の、心が凛とするような香りというのは、我々の遺伝子の中に良いものと感じるように組み込まれているのかも知れないですね。
畳って50cmぐらいの稲藁を5cmぐらいに圧縮して土台を作るんですが、その藁は湿気を吸ってくれます。梅雨時にはたくさんの湿気を吸ってくれ、家の中をスーッとした感じにしてくれるんです。そして夏になり乾燥しだすと、今度は溜めていた湿気を発散して湿度を調整してくれます。藁やい草は生きていますので、二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出してくれます。空気の浄化作用にもなるんですね。
これまでで一番衝撃的だったのが、ビルの51階に茶室を作るっていうので、あるイギリス人デザイナーの方から注文が入ったんですが、東京まで下見に行きますと、見たこともないような大きなビルが建っていたんですよ。結局そこに納品させてもらったのですが、しばらく経つとそのビルがテレビですごく話題になっていました。そう、あの六本木ヒルズだったんですよ。あれほどまでに話題のスポットに納品できたというのは嬉しかったですね。
ほかには『笑っていいとも!』に最高級畳として納品させていただきましたね。それは一畳18万円もするんですが。また、NHKや関西テレビ『ちちんぷいぷい』にも出させてもらいまして、ざこば師匠に実際に畳の上を歩いていただいたりもしました。
これから販売に力を入れていきたいのがカラー畳ですね。非常に新しいこれからの時代のコンセプトに合った商品だと思います。色も自分で選べるとなるとより個性を発揮できますし、古風な感じが好きでない方も気軽に楽しんでいただけます。和風モダンのレストランにも一部納品しており、自信を持って勧められる畳です。
海外向けには、これまではアメリカに住んでいる日系人が対象の狭い商圏でしたが、これからはアメリカ人が日頃の生活で取り入れたくなる実用的なアイテムとして提案していきたいと思っています。
国内向けには畳の良さを原点に返って訴えていきたいと思っています。その中でこんな提案もあるんですよという形で、カラー畳やインテリアとして積極的にアプローチしていきたいですね。
